"岩澤重夫展(後期)”を鑑賞

 

 

平成28年1月20日(水)京都市内は寒波に見舞われ、朝から雪化粧、交通機関の乱れを考慮して午前11時に

相国寺正門前に集合し、揃って鑑賞予定でしたが、降りしきる雪の為、到着順に美術館へ。

この日は、現代美術家岩澤有徑氏(岩澤画伯のご子息)に迎えれら、展示中の作品の説明をしていただきました。

岩澤画伯の学生時代の作品から金閣寺の襖絵まで、作品のモデルとなった風景や制作課程の心境など、さらには

使用した筆、収集した貴重な道具等の説明をしていただき、改めて感動を受けました。


〜京都歴史遺産の中の都人たち〜

"「聖護院さんと山伏」”(対談と特別拝観)

平成28年1月20日(水)


(対談:午後2時30分から)

 

<対談>
 〇会場/聖護院 宗務本所2階 仏間 
 〇講師
  宮城 泰年(聖護院門跡 門主) × 秋尾 沙戸子(ノンフィクション作家)

  (日本の信仰・修験者)

日本では古来から山は神様の住むところ、または神様そのものと考えられました。

この古代神道とも言うべき山岳信仰(民俗宗教)に仏教の行脚や道教の入山修行などが影響し、奈良時代になると山に

こもって修行する人たちが増えました。修験道の開祖とされる役小角(えんのおづぬ)もそうした修行者の一人です。

平安時代になると修行者はさらに増え、密教系の人も山岳修行をしました。天台宗寺門派の開祖円珍はその代表的な僧侶

です。

平安時代の末期になると、修験道は密教や道教、陰陽道の要素をも含み独特のものとして完成します。

聖地は紀州の熊野、葛城、大和の金峯山(きんぷせん)が中心です。

熊野を中心として活動した天台系グループを本山派といい、金峯山を中心に活動した真言系グループを当山派といいます。

このニ派が主流で、地方的組織として出羽三山、日光ニ荒山、などをはじめとして、霊山と呼ばれている全国各所で修験道

の各派が生まれました。

現在は、本山派は聖護院を中心として本山修験宗に、当山派は醍醐寺を中心として真言宗醍醐派になりました。これに天台系

の金峯山、修験本宗を加えた三派が修験の主流です。

修験の語源は「修行して迷いを除き、験徳をあらわす」から来ています。修験者は山に伏して修行するところから山伏とも

呼ばれます。修験道は一宗一派に片寄らず、行動し体験する中で以心伝心のうちに本来の悟りを開く方法=道です。

(開創)

本宗は、およそ1350年前、役行者(634〜701)が開かれた宗旨ですが、その後10代の山伏を経て、天台宗第5代

座主智証大師圓珍(814〜891)に伝わりました。

智証大師は、熊野那智の滝で一千日間おこもりの行をされた後、熊野より大峰入峰修行を行われました、その大師の跡を継ぎ

白河上皇の護持僧であった三井寺の僧誉大僧正も大峰修行を行い修験僧として名をはせ、寛治4年(1090)白河上皇が

熊野三山を参詣される「熊野御幸」に際し、先達を勤められたその功績によって「聖体護持」より2字をとった、「聖護院」

という字を賜り、本山派修験(山伏)の総本山となった。

(沿革)

後白河天皇(1156〜58)の皇子、静恵法親王が宮門跡として入寺されてから、明治維新まで37代門主のうち、25代

は皇室より、12代は摂家より門跡となられた皇室と関係の深い寺院です。創建当時の伽藍は応仁の乱で焼失、洛北岩倉へ移

ったですが再び火災に遭ってしまいます。その後市内烏丸今出川に建てられた伽藍も延宝の大火で延焼、同4年(1676)に

現在地に復しました。現在の建物はこの時のものですが、役行者一千三百年御恩忌を祈念し、全国の教信徒の協力を得て数年

をかけ修理、平成12年に完成しました。

本宗の開祖、役行者は、お釈迦さまが檀特山において修行されたように、大峰、葛城の山々を常に修行の道場としてこられました。

聖護院(本山修験宗)はその役行者を開祖としている修験道・山伏の総本山です。

(対談)

お札は、皆さん御祈祷されて焼かれるのですが、しめ縄は単純にトンド焼きみたいに焼いてもいいのですが、お札はには目に見え

ないみんなの念がこもっているので、お札をほどいて焼かなければ念がこもると聞いたが・・・・(その通りの解釈で結構です。)

山伏は、理論ではなく皆様の願や思いをその場に合わせて説法をするものです。・・・以下省略

〇特別拝観/午後3時40分〜約1時間

 対談の後、相当冷え込む中を日ごろ見ることのできない、一夜造御学問所 宸殿上段の間 御所より拝領の書院(重要文化財)

など貴重な、由緒深いものを拝観することができました。


【主 催】京都仏教会
【後 援】明日の京都 文化遺産プラットフォーム
      京都市・京都市観光協会・京都文化交流コンベンションビューロー
【協 力】聖護院門跡
【特別協賛】東海旅客鉄道