〜応挙芸術の至宝≪七難七福図鑑≫(重要文化財)を展示〜

≪相国寺・金閣寺・銀閣寺所蔵≫


相国寺承天閣美術館開館30周年記念

平成25年11月5日(火)

 

文化部の活動として、渡辺会長以下が、平成25年11月5日(火)、応挙芸術の至宝≪七難七福図鑑≫を鑑賞し、
その後、世界文化遺産の下賀茂神社まで約30分の道のりを散策し、特別公開中の重要文化財「大炊殿」と「葵の
庭」(カリンの庭)を拝観しました。

円山応挙(1733〜1795)は、江戸時代中期に、それまでにはなかった平明かつ克明な写生画の様式を確立
し、以後の近世絵画のスタイルに革命的な影響を与えた巨匠といわれています。
この「円山応挙展」では、相国寺承天閣美術館が収蔵する応挙と円山四条派の作品を展示していますが、特に注目
される作品は、応挙の≪七難七福図巻≫(重文)で、全3巻(天災・人災・福寿)からなり、すべての長さを合計
すると36メートル余りに達する長大な絵巻です。人間にふりかかる様々な災難、あるいは望ましい幸せな暮らし
をめぐって展開される繊細でかつ迫真的な人間描写と風景描写を鑑賞して、私たちは圧倒されました。
会員の皆様も、機会があったら是非、足を運んで鑑賞してみてください。

≪賀茂(かも)御祖(みおや)神社≫=下賀茂(鴨)神社)
御祭神は、賀茂(かも)建(たけ)角(つぬ)身命(みのみこと)と玉依媛(たまよりひめの)命(みこと)をおまつりして、
国家国民をお守りになり、厄除け、縁結び、安産、子育て、交通安全など人々の暮らしをご守護されています。
今回はじめて公開された大炊殿(重文)は、賀茂斎院御所の宮城の社殿です。
延暦13年(794)、12月21日、平安京の遷都にあたって、桓武天皇が御親斎されたのを始めとして、歴代
の天皇・皇族方のご参拝は数知れず、平成6年11月8日には、天皇・皇后両陛下がお揃いで御親拝になりました。
その他日本の歴史の中で、数々の事項を知ることができます。

◇大炊殿(おおいどの)
寛永5年(1624・江戸前期)の造営。新選(お供え物)を調理する社殿で、主にご飯やお餅などの穀物類を調理
し、魚鳥類は別棟の贄殿(現在は供御所の一間)で調理する習わしになっていました。
大炊殿は、平安時代の「鴨社古図」にも描かれている歴史的な建造物です。入口の土間には竈(おくどさん)があり、
中の間は台所で、流し台、用具類、御神料(新選の材料)などを置きます。調理を始める前に御祓いが行われ、奥の
間は、調理した御神料を盛り付けたり、御神前へお供えする順に配膳棚にならべておく所です。
神社建築の中でこの種の社殿が現存するのは非常にまれで貴重な社殿です。